PERSONNEL EVALUATION SYSTEM

人事評価ガイド

評価のためではなく、成長のために。制度の仕組みと、自分に求められる基準を確認できます。

この制度について

評価のために成長するのではなく、成長した結果として評価される。

人事評価は、点数や給与・賞与を決めるためだけのものではありません。 会社と上司が、社員一人ひとりの成長を支援するための制度です。 これまでの評価・考課・KPI・スキル評価を土台に、 一人ひとりが次のグレードへ成長するための「成長支援制度」として再設計しました。

評価を通じて、次の5つを明確にします

01
現在地
今どの位置にいるのか
02
次の要求
次のグレードで何が求められるか
03
不足
現在、何が不足しているか
04
伸ばす
次の半年で何を伸ばすか
05
ミッション
どんな課題に取り組むか

半年の育成サイクル

評価は半年に1回のイベントではなく、半年間の成長サイクルとして設計しています。

01理念・MVV・Value→
02グレード定義→
03コンピテンシー評価→
04KPI・スキル・育成ミッション→
05日報・1on1での振り返り→
06半年後の人事評価→
07STEP査定→
08条件を満たせば昇格審査

半年ごとにこのサイクルを繰り返し、継続的に成長を支援します。

グレードとは

グレードは給与の高さではなく、「会社から任せられる役割・責任の大きさ」を表します。

人間性
どんな姿勢・あり方か
能力
何ができるか
責任範囲
どこまで担うか
期待成果
どんな成果を生むか

グレードが上がる= 責任範囲が広がり/思考の抽象度が上がり/自分以外へ与える影響が大きくなり/ 個人ではなく人・組織・部門・会社を動かす役割になる。

G1自立する現在

自分を整え、基本を身につける

G2自走する

自分で考え、自走する

G3周囲へ影響を与える

人へ良い影響を与える

G4チームを率いる

チームを率いる

G5部門を経営する

部門を経営する

G6会社を創る

会社を経営し、未来を創る

各グレードの人物像

人間性・能力・責任範囲・期待成果の4軸で定義しています。

G1 | 自立する
自分を整え、基本を身につける

人間性

責任感 / 主体性 / 誠実さ

能力

基礎思考力 / 業務遂行力 / 自己管理力

責任範囲

  • ・自分の仕事に責任を持つ
  • ・任された仕事を最後までやり切る
  • ・ルール・期限・時間・約束を守る
  • ・社会人としての基本を徹底する

期待成果

  • ・指示された業務を正確に遂行できる
  • ・自分の業務を安定して完了できる
  • ・適切な報告・相談ができる
  • ・基本的な仕事の進め方を身につけている

コンピテンシー評価

コンピテンシー=各グレードの人物像を実現するための「日常の行動基準」です。

グレード定義が「このグレードでは、どのような人物であるべきか」を示すのに対し、 コンピテンシーは「その人物になるために、日常でどのような行動を取るべきか」を示します。 査定項目であると同時に、育成の行動指針です。

共通コンピテンシー 9項目(G1・G2はこの9項目で評価)

1責任感2主体性3報告・相談4誠実さ5ルール遵守6継続力7思考力8業務活用力(PC・IT・DX)9進捗管理

G3〜G6 で追加される項目(3項目ずつ・G6は計21項目)

G3
人へ良い影響を与える
+ リーダーシップ
+ 言語化・伝達力
+ 指導・育成力
G4
チームを率いる
+ 評価力
+ 意思決定力
+ リスク管理力
G5
部門を経営する
+ 戦略立案力
+ 組織設計力
+ 利益管理力
G6
会社を創る
+ 経営判断力
+ 事業創造力
+ 理念浸透力

採点ルール

「3」が標準。半年間を通じて安定して再現できたかで判断します。

4
期待を大きく超える
安定実践に加え、周囲へ良い影響を与え、改善・再現・仕組み化までできている
3
期待水準を満たす(標準)
そのグレードで期待される行動を、安定して継続的に実践できている
2
一部未達
一部実践できているが、継続性・再現性・精度に課題がある。支援や指摘があれば実践できる
1
未達
期待水準に達していない。行動が見られない、または継続的な改善が必要

※ 評価者の感覚や好き嫌いではなく、事実と具体的行動を根拠に評価します。

採点基準(全項目)

各項目を4・3・2・1のどこで判断するかの基準です。自分のグレードが初期表示されます。

下位グレードで追加された項目は、上位グレードでも引き続き評価されます。 同じ項目でも、グレードが上がるほど求められる水準は高くなります。

G1 の評価項目は 9項目(共通9項目 + 追加 0項目)です。

責任感
任された仕事を最後までやり切り、結果に責任を持つ。
4点

任された仕事を確実に完遂し、自ら工夫・改善まで行っている。

3点標準

任された仕事を責任を持って最後までやり切っている。

2点

取り組む姿勢はあるが、抜け漏れや未完了が発生することがある。

1点

仕事を放置する・人任せにする・やり切れないことが多い。

主体性
指示を待つだけでなく、自ら学び、考え、行動する。
4点

自ら課題を見つけ、改善提案や新しい挑戦まで行っている。

3点標準

必要なことを自ら質問・学習し、指示を待たずに行動できている。

2点

学ぶ姿勢はあるが、指示待ちになる場面がある。

1点

自ら学ぶ・考える・行動する姿勢が見られない。

報告・相談
問題を抱え込まず、適切なタイミングで報告・相談する。
4点

状況を整理し、問題が大きくなる前に解決案も含めて報告・相談できている。

3点標準

必要な報告・相談を、自ら適切なタイミングで行えている。

2点

報告・相談が遅れる、または指摘されてから行うことがある。

1点

問題を抱え込み、報告・相談を行わないことが多い。

誠実さ
感謝・礼儀・約束を大切にし、信頼される行動を取る。
4点

誠実な行動を継続し、周囲の模範となっている。

3点標準

感謝・礼儀・約束を日常的に実践できている。

2点

相手や状況によって行動にばらつきがある。

1点

礼儀や誠実さに欠け、信頼を損なう行動がある。

ルール遵守
会社のルール・期限・時間・約束を守る。
4点

常にルールを守り、周囲にも良い基準を示している。

3点標準

ルール・期限・時間・約束を安定して守っている。

2点

基本的には守っているが、違反や遅れが発生することがある。

1点

ルールを軽視し、指摘後も改善が見られない。

継続力
成果がすぐ出なくても、決めたことを継続してやり抜く。
4点

継続を習慣化し、周囲の模範となっている。

3点標準

決めたことを安定して継続できている。

2点

継続にムラがあり、途中で止まることがある。

1点

すぐに諦める・継続できないことが多い。

思考力(基礎)
現状を理解し、分からないことを整理しながら考える。
4点

現状や課題を整理し、自分なりの意見や改善案を持って質問・相談できている。

3点標準

分からないことを整理し、自ら質問して理解を深められている。

2点

考えようとはしているが、整理できず受け身になることがある。

1点

自分で考える習慣がなく、答えを待つことが多い。

業務活用力
日常業務に必要なPC・ITツール・システムを適切に活用する。
4点

基本操作に加え、業務効率化につながる活用や簡単な改善ができている。

3点標準

日常業務に必要なツールを問題なく使用できている。

2点

基本操作はできるが、継続的なサポートが必要な場面がある。

1点

基本操作が不十分で、業務に支障が出ている。

進捗管理
目標から逆算し、自分の行動と進捗を管理する。
4点

目標・現状・課題を把握し、自ら軌道修正できている。

3点標準

目標から逆算し、計画的に行動・進捗管理できている。

2点

目標は理解しているが、行動への落とし込みや管理が不十分である。

1点

目標や進捗を把握せず、場当たり的に行動している。

減算項目

加点(4・3・2・1)は「伸び」、減算は「信頼の最低ライン」。別の軸で見ます。

軽微−1点

改善前提のイエローカード。繰り返しで加重、改善でリセット

中程度−2〜−3点

評価に明確なマイナスをつける

重大ゲート

点数と独立。その期の昇給・昇格 対象外+降格・懲戒検討

勤怠・規律
事前連絡ありの遅刻・早退の頻発軽微−1点(繰り返しで加重)
日報の未提出(1回は許容・常習化で減算)軽微−1点(繰り返しで加重)
報告なしの当日欠勤中−2点(繰り返しでゲート)
無断欠勤重大ゲート
改善指導後も続く常習的な勤怠不良重大ゲート
ルール・コンプライアンス違反
軽微な社内ルール違反(改善余地あり)軽微−1点(繰り返しで加重)
就業規則の重大違反重大ゲート
経費・勤怠の不正申告重大ゲート
情報漏洩・守秘義務違反重大ゲート
誠実さ・信頼(意図的なものに限定)
常習的な責任転嫁・他責中−2点(改善なければゲート)
ミス・トラブルの隠蔽中〜重大−3点〜ゲート
虚偽報告・数値の改ざん重大ゲート
ハラスメント・信用
チームの信頼・雰囲気を著しく害する言動中−2〜−3点(改善指導)
会社資産の私的利用・毀損中〜重大−3点〜ゲート
会社の信用を毀損する行為(SNS含む)重大ゲート
ハラスメント行為(認定)重大ゲート+懲戒

重大違反(ゲート)とは

点数とは独立しています。高得点でも重大違反があれば、その期の昇給・昇格は対象外です。 必ず記録・本人通知・改善計画とセットで運用します(懲戒は就業規則に基づく別プロセス)。

運用の5原則

  • ・減算は「意図的・重大・繰り返し」に限定。前向きな1回の失敗は引かない(4・3・2・1で見る)
  • ・事実認定は主観でなく事実・証跡ベース。重大(ゲート)は人事が確認・決定する
  • ・軽微は繰り返しで加重し、改善すればリセットする
  • ・ゲートは点数と独立。高得点でも重大違反があれば昇給・昇格しない
  • ・同じ事象を複数項目で二重に減点しない(ダブルペナルティ回避)

昇給(STEP制度)

給与は「グレード × STEP」で決まります。STEPは、そのグレード内での成熟度です。

STEP1

そのグレードに上がったばかり

STEP2

一人で安定して役割を果たせる

STEP3

継続的・再現性高く成果を出せる

STEP4

周囲の模範となり、次グレードの役割も一部担えている

STEP査定|半年に1回、次の6項目を総合的に判断します

01KPI評価02コンピテンシー評価03スキル評価04半年間の育成ミッション05勤怠・ルール遵守06会社・チームへの貢献
評価ランクとSTEPの増減
S+2STEP 候補期待を大きく超える成果・成長
A+1STEP期待を上回る成果・成長
B+原則 据え置き成長が著しい場合のみ +1STEP
B据え置き期待水準どおり
C据え置き + 改善計画期待を下回る
DSTEPダウン・役割見直し検討改善が必要な状態

※ S評価でも必ず+2STEPではなく、会社判断とします。

STEPは昇給制度

現在のグレードでどれだけ成長したかを評価する

STEPアップ=昇給

STEPが上がることで給与も上がる

全員が昇給ではない

毎回、全員がSTEPアップする制度ではない

成長した人がSTEPアップ

期待以上の成果・成長を出した社員のみ上がる

昇給と昇格は別の制度です。昇給は同じグレード内でSTEPが上がること(=そのグレード内での成熟)。 昇格は次のグレードの責任を任せられると認定されること(=次の役割・責任への認定)。

昇格審査

昇格は自動ではありません。次の責任を任せられる状態になったことを認定する制度です。

✕ ご褒美ではない

成果を出したことへの褒賞・昇給の延長

◯ 認定である

次の役割・責任を任せるための認定

01
本人 自己評価

次グレードの基準(人物像・能力・責任・成果・コンピテンシー・KPI・スキル・ミッション・意思)を確認し、申請 / 見送りを本人が判断

02
直属上司 評価

自己評価・日常行動・成果・ミッション達成を確認。基準を継続・再現できているかを見て、推薦 / 否認

03
幹部・役員 審査

全社視点で「本当に次の責任を任せられるか」を総合判断し、昇格を認定

昇格審査に進む条件

現グレードの全項目 平均3.5以上、かつ 2点以下の項目なし。 最低STEP要件は設けません(点数と審査で判断します)。実施は半年に1回です。

判断基準(10項目を総合的に)

1次グレードの人物像・人間性
2次グレードの能力
3次グレードの責任範囲
4次グレードの期待成果
5次グレードのコンピテンシー評価
6KPI達成状況
7専門スキル・業務スキル
8半年間の育成ミッション達成
9本人の意思・覚悟
10上司・幹部が任せられると判断

合格基準((1)〜(5)を全て満たしたとき合格)

(1)コンピテンシー点数現グレードの全項目 平均3.5以上、かつ2点以下の項目なし(=審査に進む条件)
(2)次グレードの成果次グレード相当の期待成果を、直近1期(半年)実際に出している
(3)育成ミッション半年間の育成ミッションを達成している
(4)重大な減算なし直近の評価期間に、重大な減算(ゲート該当)がない
(5)承認上司の推薦 → 幹部・役員で審議 → 最終は役員(社長)が承認

※ 一つでも欠ければ次回に持ち越し。不足している要件は本人に明示してフィードバックします。

各グレードへの昇格要件
G1→G2自走して安定成果/自ら課題発見・業務改善/チームへ主体的に貢献
G2→G3再現性ある成果/論理的に整理し分かりやすく伝える/後輩育成・ナレッジ共有・周囲へ好影響
G3→G4チームとして目標達成/メンバー育成/事実と基準で評価/複雑な課題の意思決定/リスク先回り
G4→G5部門戦略の立案実行/部門利益を継続創出/採用育成組織設計で部門を成長/全社最適の判断
G5→G6全社の成長と利益/新事業・価値の創造/未来を構想し経営戦略へ言語化/理念と戦略を全社浸透

降格・STEPダウン

上げる基準と同じく、下げる側も明確なトリガーで運用します。

区分トリガー(事実ベース)効果
STEPダウンSTEP評価が D(期待を大きく下回る)グレード内のSTEP(号)を下げる
降格 検討2期連続でコンピテンシー平均が2点台グレードそのものの見直しを検討
役割見直し減算のゲート該当(重大違反)役割・グレード・処遇を個別に見直す

※ いきなり下げず、まず改善計画とセットで運用します。改善が見られない場合に適用します。

グレードと役職

グレード(責任の大きさ)に応じて役職を連動させます。

G1メンバー任された仕事を最後までやり切る(育成段階)
G2チームリーダー担当業務全体に責任を持ち、安定して成果を出す
G3リーダーチームを率い、再現性ある成果と後輩育成
G4マネージャーチーム目標と育成に責任/複雑な課題の意思決定
G5部長(部門長)部門利益と組織に責任/部門戦略の立案・実行
G6役員(事業責任者)会社の未来と経営に責任/新事業・価値の創造

※ 実際の任命はポストの状況も踏まえて決定します。

面談・育成ミッション・日報

半年に1回だけでなく、日々の仕事の中で次のグレードを意識する仕組みにします。

半年間の評価・育成面談で確認すること

1現在の評価結果
2現在のグレード
3次グレードで求められる人間性・能力・責任
4現在足りていない要素
5次の半年で伸ばす育成テーマ
6半年間の育成ミッション
7KPI・スキル目標
8日報・1on1で継続確認する内容

育成ミッションの例

本人の弱点や次グレードとの差分に合わせて、上司が個別に設定します。

  • ・後輩1名の育成を担当する
  • ・毎週、改善提案を提出する
  • ・会議で課題・原因・対策を整理して発表する
  • ・小規模プロジェクトを責任者として推進する
  • ・チームのKPI進捗を管理する

日報・1on1で振り返る5つの問い

  • ・次のグレードになるために、今日できたこと
  • ・次のグレードになるために、今日足りなかったこと
  • ・半年間のミッションに対して、今日どこまで進んだか
  • ・今日発見した課題は何か/その原因をどう考えたか
  • ・明日、どのような行動をするか

この制度が目指すこと

人事評価は、社員を管理するための制度ではなく、社員一人ひとりの成長を支援する制度です。

評価のために成長するのではなく、成長した結果として評価される。

出典: 「Funrix 人事評価制度 改定版」。採点基準は評価システムに登録されている定義を表示しています。 制度の詳細や不明点は上長または管理部へお問い合わせください。