PERSONNEL EVALUATION SYSTEM
人事評価ガイド
評価のためではなく、成長のために。制度の仕組みと、自分に求められる基準を確認できます。
この制度について
評価のために成長するのではなく、成長した結果として評価される。
人事評価は、点数や給与・賞与を決めるためだけのものではありません。 会社と上司が、社員一人ひとりの成長を支援するための制度です。 これまでの評価・考課・KPI・スキル評価を土台に、 一人ひとりが次のグレードへ成長するための「成長支援制度」として再設計しました。
評価を通じて、次の5つを明確にします
半年の育成サイクル
評価は半年に1回のイベントではなく、半年間の成長サイクルとして設計しています。
半年ごとにこのサイクルを繰り返し、継続的に成長を支援します。
グレードとは
グレードは給与の高さではなく、「会社から任せられる役割・責任の大きさ」を表します。
グレードが上がる= 責任範囲が広がり/思考の抽象度が上がり/自分以外へ与える影響が大きくなり/ 個人ではなく人・組織・部門・会社を動かす役割になる。
自分を整え、基本を身につける
自分で考え、自走する
人へ良い影響を与える
チームを率いる
部門を経営する
会社を経営し、未来を創る
各グレードの人物像
人間性・能力・責任範囲・期待成果の4軸で定義しています。
人間性
責任感 / 主体性 / 誠実さ
能力
基礎思考力 / 業務遂行力 / 自己管理力
責任範囲
- ・自分の仕事に責任を持つ
- ・任された仕事を最後までやり切る
- ・ルール・期限・時間・約束を守る
- ・社会人としての基本を徹底する
期待成果
- ・指示された業務を正確に遂行できる
- ・自分の業務を安定して完了できる
- ・適切な報告・相談ができる
- ・基本的な仕事の進め方を身につけている
コンピテンシー評価
コンピテンシー=各グレードの人物像を実現するための「日常の行動基準」です。
グレード定義が「このグレードでは、どのような人物であるべきか」を示すのに対し、 コンピテンシーは「その人物になるために、日常でどのような行動を取るべきか」を示します。 査定項目であると同時に、育成の行動指針です。
共通コンピテンシー 9項目(G1・G2はこの9項目で評価)
G3〜G6 で追加される項目(3項目ずつ・G6は計21項目)
採点ルール
「3」が標準。半年間を通じて安定して再現できたかで判断します。
※ 評価者の感覚や好き嫌いではなく、事実と具体的行動を根拠に評価します。
採点基準(全項目)
各項目を4・3・2・1のどこで判断するかの基準です。自分のグレードが初期表示されます。
下位グレードで追加された項目は、上位グレードでも引き続き評価されます。 同じ項目でも、グレードが上がるほど求められる水準は高くなります。
G1 の評価項目は 9項目(共通9項目 + 追加 0項目)です。
任された仕事を確実に完遂し、自ら工夫・改善まで行っている。
任された仕事を責任を持って最後までやり切っている。
取り組む姿勢はあるが、抜け漏れや未完了が発生することがある。
仕事を放置する・人任せにする・やり切れないことが多い。
自ら課題を見つけ、改善提案や新しい挑戦まで行っている。
必要なことを自ら質問・学習し、指示を待たずに行動できている。
学ぶ姿勢はあるが、指示待ちになる場面がある。
自ら学ぶ・考える・行動する姿勢が見られない。
状況を整理し、問題が大きくなる前に解決案も含めて報告・相談できている。
必要な報告・相談を、自ら適切なタイミングで行えている。
報告・相談が遅れる、または指摘されてから行うことがある。
問題を抱え込み、報告・相談を行わないことが多い。
誠実な行動を継続し、周囲の模範となっている。
感謝・礼儀・約束を日常的に実践できている。
相手や状況によって行動にばらつきがある。
礼儀や誠実さに欠け、信頼を損なう行動がある。
常にルールを守り、周囲にも良い基準を示している。
ルール・期限・時間・約束を安定して守っている。
基本的には守っているが、違反や遅れが発生することがある。
ルールを軽視し、指摘後も改善が見られない。
継続を習慣化し、周囲の模範となっている。
決めたことを安定して継続できている。
継続にムラがあり、途中で止まることがある。
すぐに諦める・継続できないことが多い。
現状や課題を整理し、自分なりの意見や改善案を持って質問・相談できている。
分からないことを整理し、自ら質問して理解を深められている。
考えようとはしているが、整理できず受け身になることがある。
自分で考える習慣がなく、答えを待つことが多い。
基本操作に加え、業務効率化につながる活用や簡単な改善ができている。
日常業務に必要なツールを問題なく使用できている。
基本操作はできるが、継続的なサポートが必要な場面がある。
基本操作が不十分で、業務に支障が出ている。
目標・現状・課題を把握し、自ら軌道修正できている。
目標から逆算し、計画的に行動・進捗管理できている。
目標は理解しているが、行動への落とし込みや管理が不十分である。
目標や進捗を把握せず、場当たり的に行動している。
減算項目
加点(4・3・2・1)は「伸び」、減算は「信頼の最低ライン」。別の軸で見ます。
改善前提のイエローカード。繰り返しで加重、改善でリセット
評価に明確なマイナスをつける
点数と独立。その期の昇給・昇格 対象外+降格・懲戒検討
| 事前連絡ありの遅刻・早退の頻発 | 軽微 | −1点(繰り返しで加重) |
| 日報の未提出(1回は許容・常習化で減算) | 軽微 | −1点(繰り返しで加重) |
| 報告なしの当日欠勤 | 中 | −2点(繰り返しでゲート) |
| 無断欠勤 | 重大 | ゲート |
| 改善指導後も続く常習的な勤怠不良 | 重大 | ゲート |
| 軽微な社内ルール違反(改善余地あり) | 軽微 | −1点(繰り返しで加重) |
| 就業規則の重大違反 | 重大 | ゲート |
| 経費・勤怠の不正申告 | 重大 | ゲート |
| 情報漏洩・守秘義務違反 | 重大 | ゲート |
| 常習的な責任転嫁・他責 | 中 | −2点(改善なければゲート) |
| ミス・トラブルの隠蔽 | 中〜重大 | −3点〜ゲート |
| 虚偽報告・数値の改ざん | 重大 | ゲート |
| チームの信頼・雰囲気を著しく害する言動 | 中 | −2〜−3点(改善指導) |
| 会社資産の私的利用・毀損 | 中〜重大 | −3点〜ゲート |
| 会社の信用を毀損する行為(SNS含む) | 重大 | ゲート |
| ハラスメント行為(認定) | 重大 | ゲート+懲戒 |
重大違反(ゲート)とは
点数とは独立しています。高得点でも重大違反があれば、その期の昇給・昇格は対象外です。 必ず記録・本人通知・改善計画とセットで運用します(懲戒は就業規則に基づく別プロセス)。
運用の5原則
- ・減算は「意図的・重大・繰り返し」に限定。前向きな1回の失敗は引かない(4・3・2・1で見る)
- ・事実認定は主観でなく事実・証跡ベース。重大(ゲート)は人事が確認・決定する
- ・軽微は繰り返しで加重し、改善すればリセットする
- ・ゲートは点数と独立。高得点でも重大違反があれば昇給・昇格しない
- ・同じ事象を複数項目で二重に減点しない(ダブルペナルティ回避)
昇給(STEP制度)
給与は「グレード × STEP」で決まります。STEPは、そのグレード内での成熟度です。
そのグレードに上がったばかり
一人で安定して役割を果たせる
継続的・再現性高く成果を出せる
周囲の模範となり、次グレードの役割も一部担えている
STEP査定|半年に1回、次の6項目を総合的に判断します
| S | +2STEP 候補 | 期待を大きく超える成果・成長 |
| A | +1STEP | 期待を上回る成果・成長 |
| B+ | 原則 据え置き | 成長が著しい場合のみ +1STEP |
| B | 据え置き | 期待水準どおり |
| C | 据え置き + 改善計画 | 期待を下回る |
| D | STEPダウン・役割見直し検討 | 改善が必要な状態 |
※ S評価でも必ず+2STEPではなく、会社判断とします。
現在のグレードでどれだけ成長したかを評価する
STEPが上がることで給与も上がる
毎回、全員がSTEPアップする制度ではない
期待以上の成果・成長を出した社員のみ上がる
昇給と昇格は別の制度です。昇給は同じグレード内でSTEPが上がること(=そのグレード内での成熟)。 昇格は次のグレードの責任を任せられると認定されること(=次の役割・責任への認定)。
昇格審査
昇格は自動ではありません。次の責任を任せられる状態になったことを認定する制度です。
成果を出したことへの褒賞・昇給の延長
次の役割・責任を任せるための認定
次グレードの基準(人物像・能力・責任・成果・コンピテンシー・KPI・スキル・ミッション・意思)を確認し、申請 / 見送りを本人が判断
自己評価・日常行動・成果・ミッション達成を確認。基準を継続・再現できているかを見て、推薦 / 否認
全社視点で「本当に次の責任を任せられるか」を総合判断し、昇格を認定
昇格審査に進む条件
現グレードの全項目 平均3.5以上、かつ 2点以下の項目なし。 最低STEP要件は設けません(点数と審査で判断します)。実施は半年に1回です。
判断基準(10項目を総合的に)
合格基準((1)〜(5)を全て満たしたとき合格)
※ 一つでも欠ければ次回に持ち越し。不足している要件は本人に明示してフィードバックします。
降格・STEPダウン
上げる基準と同じく、下げる側も明確なトリガーで運用します。
| 区分 | トリガー(事実ベース) | 効果 |
|---|---|---|
| STEPダウン | STEP評価が D(期待を大きく下回る) | グレード内のSTEP(号)を下げる |
| 降格 検討 | 2期連続でコンピテンシー平均が2点台 | グレードそのものの見直しを検討 |
| 役割見直し | 減算のゲート該当(重大違反) | 役割・グレード・処遇を個別に見直す |
※ いきなり下げず、まず改善計画とセットで運用します。改善が見られない場合に適用します。
グレードと役職
グレード(責任の大きさ)に応じて役職を連動させます。
※ 実際の任命はポストの状況も踏まえて決定します。
面談・育成ミッション・日報
半年に1回だけでなく、日々の仕事の中で次のグレードを意識する仕組みにします。
半年間の評価・育成面談で確認すること
育成ミッションの例
本人の弱点や次グレードとの差分に合わせて、上司が個別に設定します。
- ・後輩1名の育成を担当する
- ・毎週、改善提案を提出する
- ・会議で課題・原因・対策を整理して発表する
- ・小規模プロジェクトを責任者として推進する
- ・チームのKPI進捗を管理する
日報・1on1で振り返る5つの問い
- ・次のグレードになるために、今日できたこと
- ・次のグレードになるために、今日足りなかったこと
- ・半年間のミッションに対して、今日どこまで進んだか
- ・今日発見した課題は何か/その原因をどう考えたか
- ・明日、どのような行動をするか
この制度が目指すこと
人事評価は、社員を管理するための制度ではなく、
社員一人ひとりの成長を支援する制度です。
評価のために成長するのではなく、成長した結果として評価される。
出典: 「Funrix 人事評価制度 改定版」。採点基準は評価システムに登録されている定義を表示しています。 制度の詳細や不明点は上長または管理部へお問い合わせください。